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損益計算書(PL)とは

損益計算書(PL)とは
勘定式の損益計算書

会社の成績表、決算書の読み方解説【PL編】

PLの科目について具体的に説明する前に、PLの構成比からわかる「損益構造」について説明したいと思います。
経営の利益は一般的に、“売上高 — 売上原価 — 費用 = 利益”の計算式で求めることができます。ここで言う売上高とは、商品を売って直接手に入る対価のことで、売上原価とは商品の原材料の原価、費用とは販売や業務の管理にかかる費用(販管費)を指します。この計算式で確実にプラスの値が出ないようであれば、そもそも儲からない商売であることがわかると思います。 損益計算書(PL)とは
1種類の商品のみを扱っているのであれば単純ですが、複数の種類の商品を販売する場合はまとまったデータがPLに表記されてしまうため、少々ややこしい話になります。それぞれの商品を販売する営業所では、種類ごとの費用が分かれている「直接費」としてそのまま対応できますが、総括する本社などでは、まとめた費用である「共通費」しか分からず、その場合は売上高の比率で割り振ることなどを行うことで対応することになります。
また、全体の損益構造をひと目見てわかるようにするためには、全商品の売上高を100とした上で、それぞれの数値の比率(構成比)を求めてみましょう。すると、売上高が低い商品Aの方が、売上高の高い商品Bよりも、構成比が高く販売効率がよいと分かる場合もあります。

PLの5つの利益

売上総利益(粗利)

税引前利益

当期利益は税引前利益から法人税などの税金を差し引いたあとの利益で、最終利益とも呼ばれます。
これらの5つの利益は基本的にすべてプラスになることが理想的ですが、借入金が多い場合は「経常利益」、そうでない場合は「営業利益」に注目するのが良いでしょう。
また、PLの見方として、利益の金額そのものだけでなく、先程説明した構成比から分かる利益率を見ることも大切です。特に最初の3つの利益を売上高で割った利益率である、粗利率、営業利益率、経常利益率はそれぞれ非常に重要であり、特に粗利率の重要性については次の項目で説明します。さらに、この利益率が月ごとにどれだけ変化しているかを示す「変化率」も営業方針を定めるのに便利で、PLは5つの利益の金額と利益率に加えて変化率をチェックすることで最大限利用できるでしょう。

損益計算書(PL)の読み方を解説/初心者向けの企業会計原則・財務諸表 | キャリアコンサルタントドットネット

貸借対照表は財務諸表の一つ

損益計算書は財務諸表の一つです。

財務諸表は、企業が一定期間、一定時点の経営成績や経営状態を示すために作成します。現貯金や資産や売り上げや費用などの財務状況等を株主や債権者などの関係者に対して示すためです。

日本における会計基準では、財務諸表には「 貸借対照表(Balance sheet、略称B/S) 」「損益計算書(Profit and Loss Statement、略称P/L)」「 キャッシュ・フロー計算書(C/F、cash flow statement) 」「株主資本等変動計算書(S/S、Statements of Shareholders’ Equity)」が含まれます。

貸借対照表(Balance sheet、略称B/S)

balance-sheet

貸借対照表(Balance sheet、略称B/S) は、企業の一定時点(決算日/例:3月31日)の財政状態を表している書類です。

キャッシュ・フロー計算書(C/F、cash flow statement)

キャッシュ・フロー計算書(CF、cash flow statement)

キャッシュ・フロー計算書 (C/F、cash flow statement)は、企業の一定期間(例/4月~3月)の現貯金等(現金同等物も含まれる)の増減を表す数値を記しています。

営業活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フロー

株主資本等変動計算書(S/S、Statements of Shareholders’ Equity)

株主資本等変動計算書(S/S、Statements of Shareholders’ Equity)とは、貸借対照表の純資産の企業の一定期間(例/4月~3月)における変動額のうち、株主資本の各項目の変動事由を報告するために作成されます。

損益計算書-Profit and Loss Statement(PL)-とは?

損益計算書とは?

損益計算書(PL)とは、企業のある一定期間(例:4/1~3/31)の収益と費用の損益計算をまとめた書類です。

損益計算書に記載されている構成要素は、大きく分けて「収益」「費用」「利益」の3つです。

  • 収益:どれくらいの売上がある
  • 費用:どれくらいの費用を使った
  • 利益:どれくらいの利益が残った
  1. 売上高
  2. 売上原価
  3. 売上総利益金額又は売上総損失金額
  4. 販売費及び一般管理費
  5. 営業外収益
  6. 営業外費用
  7. 特別利益
  8. 特別損失

損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)との関係は?

損益計算書と貸借対照表との関係は?

貸借対照表は「一定時点」の企業の資産や負債、資産状況を把握するために用いられるのに対して、損益計算書は「一定期間」の企業の財務の状況を表しています。

損益計算書と貸借対照表を同時に見ることにより、どちらか一つを見るよりもその企業を深く理解することが出来ます。

損益計算書は「経常損益の部」「特別損益の部」に分類

損益計算書は「経常損益の部」「特別損益の部」に分類

損益計算書の「経常損益の部」

損益計算書の「経常損益の部」

「経常損益の部」に属する収益およひ費用の性質は、日常性ないし反復性を伴ったものです。一般的な企業の活動をして考えられる費用はこちらに分類されます。

つまり、企業の一般的な営業活動から経常的に生じる収益と費用(例えば文房具屋の場合鉛筆を仕入れて、販売などして通常の営業活動で生じた利益と費用)、そしてその成果(利益)を表示されます。

  • 営業損益の部/会社の本業に係わる営業活動の努力と成果を表示しています。
    例:上記内で示した通り、文房具屋の鉛筆の売買に関するモノ
  • 営業外損益の部/会社の本業に付随する営業活動の努力を表示しています。
    例:文房具屋の店前に置いてある自動販売機の仕入れ、売上などに関するモノ

損益計算書の「特別損益の部」

損益計算書の「特別損益の部」

「特別損益の部」は、経常損益の部のように企業に非経常的で、営業活動に無関係で生じた収益と費用を表示しています。

損益計算書の「売上高」

損益計算書の「売上高」

「売上高」とは、その企業の本業で稼いだ収益のことを言います。

損益計算書の「売上原価」

損益計算書の「売上原価」

「売上原価」とは、「売上高」の収益を得る為に対応する費用です。

損益計算書の「売上総利益金額又は売上総損失金額」

損益計算書の「売上総利益金額又は売上総損失金額」

「売上総利益金額又は売上総損失金額」は「売上高」から「売上原価」を引いて計算します。

「売上総利益金額又は売上総損失金額」は、「粗利益」とも呼ばれていて、「あらり」と略して使用されている場合も多くあります。

損益計算書の「販売費及び一般管理費」

損益計算書の「販売費及び一般管理費」

「販売費及び一般管理費」は、上記の営業活動をする上でかかった費用のことを言います。

文房具屋さんや製造業も同じで人を雇った人件費などのことです。他にも輸送費用や電話料金なども含まれその営業活動の全般的な費用です。

  • 給料/従業員に支払われる給料
  • 賞与/ボーナス
  • 法定福利費/厚生年金などの会社負担分
  • 福利厚生費/社員旅行やお茶代など
  • 広告宣伝費/広告代
  • 接待交際費/取引先との会議費用など
  • 旅費交通費/交通費・出張の宿泊代
  • 支払手数料/銀行振込手数料など
  • 賃借料/事務所の賃貸料
  • 通信費/固定電話や携帯電話・インターネットプロバイダ費用
  • 水道光熱/水道・電気・ガス
  • 保険料/自動車保険や火災保険など
  • 減価償却費/資産の価値減少分
  • 租税公課/自動車税・固定資産税
  • 消耗品費/鉛筆・ボールペン代など

損益計算書の「営業外収益」

損益計算書の「営業外収益」

「営業外収益」とは、その名の通り企業の本業以外での収益のことを言います。

具体的な「営業外収益」は、株式の配当金などである「受取配当金」や預貯金や貸付金の利子である「受取利息」などです。余剰金を使用して投資を行って利益を得ている場合なども含まれます。

損益計算書の「営業外費用」

損益計算書の「営業外費用」

「営業外費用」とは、その名の通り営業外での費用のことを言います。

具体的な「営業外費用」は、借り入れをしている際の支払い利息や社債の利息などです。

損益計算書の「特別利益」

損益計算書の「特別利益」

「特別利益」とは、会社の通常の活動では発生しないようなその期だけの特別な要因で発生した利益のことを言います。

損益計算書とは|貸借対照表との違いや経営状況の見方を解説

勘定式の損益計算書

報告式の損益計算書

報告式の損益計算書は、当期純利益を「営業利益」「経常利益」「純利益」の3つの段階に分けて計算する方式です。

勘定式の損益計算書

勘定式の損益計算書

勘定式の損益計算書は、様式の右側に収益、左側に費用と利益を計上する方式です。

損益計算書と貸借対照表の関係

損益計算書と貸借対照表はどちらも企業の経営状況を表す書類である決算書類です。しかし損益計算書には「一定期間の経営成績」を記載するのに対し、貸借対照表には「ある時点の資産や負債、純資産の状況」を記載します。

損益計算書から読み取れる5つの利益項目

損益計算書から読み取れる5つの利益項目

損益計算書の5つの利益項目

損益計算書では、会社の活動による利益を以下の5つに分けることで、会社のどのような活動でどれくらいの利益を出したかという分析が可能になります。

売上総利益

売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いたもので、粗利益とも呼ばれます。

営業利益は売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いたもので、本業における経営成績が表されています。

営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費

経常利益とは本業と本業外で得た利益のことで、事業全体の活動での経常的な経営成績です。営業利益に営業外収益を加算し営業外費用を差し引いて算出します。

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

営業外収益

営業外費用

税引前当期純利益

税引前当期純利益は法人税や住民税などの税金を納める前の利益のことで、最終的な経営成績として計上されます。経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いて算出します。

税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失

当期純利益

当期純利益は会社が最終的に得る利益のことです。税引前当期利益から法人税や住民税、事業税など会社が納める税金を差し引いて算出します。

当期純利益=税引前当期利益ー(法人税、住民税及び事業税)

法人税、住民税及び事業税

経営状況を読み取るための損益計算書の見方

経営状況を読み取るための損益計算書の見方

売上総利益率(粗利率)

売上総利益率とは、売上高に対してどのくらい利益を出しているかがわかる指標になります。

売上総利益率=売上総利益÷売上高×100

売上高営業利益率

売上高営業利益率は、本業でどのくらいの利益を上げているかが分かります。売上高に対する営業利益の割合で求められます。

売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100

売上高経常利益率

売上高経常利益率は、事業全体の活動から得た利益が売上高に対してどれだけの割合かを示すものです。効率よく経営を行っているかを知ることができます。

売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100

損益分岐点売上高

損益分岐点売上高とは、売上高と費用がまったく同じ金額になるポイントのことです。実際の売上高が分岐点を上回れば黒字、分岐点に満たなければ赤字になります。

損益分岐点売上高=固定費÷
変動費:売上に比例して増加する費用で、商品仕入れ代、原材料費、販売手数料など
固定費:売上に関係なく発生する費用で、人件費、地代家賃、広告宣伝費など

損益計算書の作り方

損益計算書の作成方法

日々の取引を仕訳する

損益計算書を作る最初のステップは日々の取引の仕訳です。まずは、以下の例で仕訳を確認してみましょう。

    損益計算書(PL)とは
  1. 1/1 販売するための商品を現金500円で仕入れた
  2. 1/10 ①で仕入れた商品のうち100円分が不良品だったため返品し現金が返金された
  3. 1/20 ①で仕入れた商品(返品したものを除く)全てを現金1,000円で販売した
  4. 1/26 現金50円で事務所の電球を購入した
  5. 2/10 現金100円で事務所の電気代を支払った
  6. 2/15 預金利息10円が普通預金口座に入金された

仕訳日記帳

仕訳日記帳

総勘定元帳に転記する

仕訳帳に仕訳を記録したら、次は仕訳帳の取引を勘定科目ごとに総勘定元帳に転記します。1月の取引を損益計算書の項目だけ転記すると以下の通りです。

総勘定元帳

総勘定元帳

試算表を作成する

総勘定元帳を作成できたら次は全ての勘定科目を集計する試算表を作成します。取引の例の試算表を作成すると以下の通りです。

合計残高試算表

合計残高試算表

損益計算書を作成する

損益計算書

損益計算書

損益計算書の作成手段

損益計算書作成のフォーマット

会計ソフト

freee

freee

freee

freeeは簿記や経理の知識がなくても使えるクラウド会計ソフトです。請求書発行や経費精算、入金管理まで、経理に関わる業務を一元化できます。売上利益の分析なども、見たいときにいつでも数字を確認できるのが魅力です。

フリーウェイ経理Lite

フリーウェイ経理Lite

フリーウェイ経理Lite

フリーウェイ経理Liteは無料で使える会計ソフトです。インストールもバージョンアップもすべて無料。Windowsを使えるパソコン(Windows10、8.1)に対応しています。損益計算書などの決算書や各種帳票を作成でき、他の会計ソフトから出力したデータや、Excelで作ったデータを取り込めるのもメリットです。

弥生会計シリーズ

弥生会計

弥生会計は本格的に経営分析をしたい人におすすめの会計ソフトです。決算書だけではわかりにくい数字をグラフ化して表示し、5期分の貸借対照表・損益計算書など財務諸表を比較することもできます。変動費と固定費を分類して損益分岐点の分析も可能です。

マネーフォワード

マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワード

マネーフォワードは人工知能(AI)が搭載され、使うほどに学習して賢く便利になるクラウド会計ソフトです。WindowsとMacに対応し、スマホでも場面に応じて活用できます。

Excel

できるだけコストをかけずに損益計算書を作成したい場合には、Excelがおすすめです。テンプレートを使用すれば1から作る必要がなく、数値を入力すれば自動的に計算し、積み上げグラフなど視覚化できます。

損益計算書の作成には税法の判断なども必要となるため、専門家である税理士の力を借りることは有効な選択肢の1つです。

決算書の読み方 損益計算書

損益計算書

企業が本業で得た総売上で「年商」とも呼ばれ、目標設定としてよく利用されている。通常の売買においては「単価」×「数量」で計算される。一般に増収は良い傾向で減収は良くないとされるが、例えば収益性(利益率)の高い商品への販売集中で収益性の悪い商品の扱い量を減らした場合などは、相対的に減収になったとしても一定の評価がされる。事業規模を示す指標でもあり、過去の流れをみるためにも 最低2期分の比較 が必要である。

主力商品・サービスの強さがわかる!~売上総利益~

別名「粗利」とも呼ばれ、一般的に人件費や副業で得た利益を含まない、企業の提供するサービス・商品の競争力を示す利益である。同業他社との比較においてはよく、売上高総利益率「=売上総利益÷売上高×100」が利用され、仕入れた商品にどれだけの付加価値を付けられたかを示し、一般にサービス業は業界平均値よりも高く、卸売業・建設業は低くなっている。与信管理においては 直近2期分の比較 及び 業界標準値との比較 が重要。

営業利益までのチェックポイント!

内部留保効果を生み出す!~販売費及び一般管理費(減価償却費)~

この勘定科目については人件費をはじめ売上高に比例しない固定費が多い。与信管理においては、特に減価償却費に注目したい。減価償却費とは、固定資産の取得に要した購入価格をその資産が使用できる期間にわたって費用配分されるコストであり、実際の現金支出を伴わない費用である。これは過去に購入(現金支出)されたものを将来にわたって費用計上(非現金支出)するため利益(現金)の 内部留保効果 を生み出すことになる。キャッシュ・フロー(現金)が重要視される近年においてきっちりと減価償却費が計上されているかは重要であり、その他にも交際費・寄付金などが社会通念上に照らし 適当な範囲 で計上されていることなども注目される。

企業運営の難しさ!~人件費&貸倒損失(販売費及び一般管理費)~

いずれも販売費及び一般管理費の中にある勘定科目であるが、人件費は一般に従業員に支払われる給与・賞与・諸手当及び役員に支払われる役員報酬が該当する。企業の業績が悪化してきた際、コスト削減で最も手をつける部分であるが、中でも注目したいのは役員報酬である。中小企業には同族で経営陣を固めるケースが多いが、その場合役員報酬が高いと従業員からの反感を買うことも少なくない。与信管理上では、従業員への給与・賞与と役員報酬の バランスを確認 する必要がある。貸倒損失とは売掛金、貸付金などの債権が回収できなかった場合に計上される費用勘定のことで、回収不能となった金額が貸倒引当金(貸借対照表)の額を上回る場合に計上される。販売先が倒産した場合はいわゆる焦付額を示すものであり、貸倒損失が多い場合は販売先に対する与信管理の甘さや販売回収能力が弱い可能性がある。通常回収されなくてはならない債権額の回収ができないことは現金化されないことを意味しており、これが原因で資金不足から倒産につながるケースも少なくない。よって、与信管理においては貸倒損失の 金額の確認 が重要となる。

経常利益までのチェックポイント!

副業で得た収益がわかる!~営業外収益~

営業外収益は企業の副業(財テク)などで得た収益のこと。代表的な営業外収益の勘定科目としては、受取利息・配当金があり、投資した有価証券、不動産などで得た収益を意味する。特に注意が必要なのは「 営業外収益 > 営業利益 」の場合で、本業より副業の方が儲けが多いことを意味しており、財テク能力は高いが、肝心の本業については懸念されるためである。近年では金融商品も複雑化してきており、レバレッジの効いた商品に手を伸ばし、大幅な収益を生み出す企業もあれば、大幅な損失になってしまう企業も存在し、それが原因で倒産してしまうことも少なくない。よって、 本業と副業のバランス を知る上で営業外収益は与信管理上、重要となる。

収益圧迫の要因!~営業外費用~

営業外費用には、借入金の利息(支払利息)や企業の副業(財テク)などで被った費用(有価証券売却損・評価損など)がある。この中で最も注目したいのが、支払利息である。企業は存続する上で最も重要な要素のひとつが資金調達である。無借金経営であれば計上されることはないが、日本では特に金融機関への依存度が高くなっているのが現状である。金融機関から借入金を導入した場合に発生するのが支払利息であるが、これはダイレクトに経常利益に影響を与えるものであり、金利(企業の信用度が反映)にもよるが基本的に借入金が多ければ多いほど利息は嵩み望ましくない。よって、経常利益にどういった形で影響を与えているかを判断するために 数期分の比較 を行い、 増減の要因 (借入金の増減など)を確認することが与信管理において重要である。

当期純利益までのチェックポイント!

通常生じない臨時の要因!~特別利益&特別損失~

企業が活動する上においては、通常では発生しない臨時の収入及び費用が生じることがあり、これが特別利益(収入)、特別損失(費用)である。所有不動産を売却した際に生じる固定資産売却損益や保有している子会社・関係会社の株式を売却した際に生じる投資有価証券売却損益などが該当する。企業にとって特別利益は利益に上乗せされるものであるが、「特別利益>経常利益」の場合、本業及び副業で生じた損失分を不動産や株式の売却分で充当している可能性もあり、与信管理においては 特別利益・損失の内容把握 が重要となってくる。

税金は当期以前の利益を加味する!~当期純利益&法人税・住民税及び事業税~

当期純利益は、税引前当期純利益から法人税・住民税及び事業税を差し引いた利益であり、企業の最終的な1年間の利益を示す。この最終利益は、貸借対照表の利益剰余金(純資産の部)に計上されることとなり、企業の内部留保を上乗せしていくこととなる。ただ、最終損失となった場合には内部留保を食いつぶすこととなる。上述の通り、税金の影響を大きく受けることとなり、純然な毎期の比較対象としては 税引前当期純利益 が望ましい。

損益分岐点について

損益分岐点の原理

「売上高の増加=儲かっている」と錯覚してしまうことが多いが実際はそうではない。売上高を増加させるには新たな費用も発生することになる。損益分岐点とは 「利益ゼロとなる売上高」 のことを指す。

与信管理における損益分岐点~企業の成長に応じた判断を~

通常、ある程度の社歴を重ねた企業の場合、損益分岐点を上回る売上高を確保していることは企業の継続において極めて重要で、仮に売上高が損益分岐点を下回っている場合には厳しい状況にある可能性がある。ここで、判断が難しいのが、設立してまだ日が浅い企業である。一般的に設立当初は「 創業赤字 」という言葉もある通り、創業に関わるコスト負担と販路が確立していないことで売上も伸びず、損益分岐点を下回る売上高しか計上できない可能性が高い。よって、 損益分岐点をクリア することが設立間もない企業にとっての課題であり企業の成長を図る指標にもなる。ただし、社歴を重ねてもクリアできていない企業についてはビジネスモデルに問題を抱えている可能性が高く、その要因を分析する必要がある。

【カンタン図解】貸借対照表と損益計算書の基本とつながりを解説

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5 つの利益を図解すると、以下のとおりとなります。

損益計算書からわかること

簡単にいえば 「会社がいくら儲けて、その儲けを出すためにいくら使ったのか」 が書かれているのが損益計算書です。

    損益計算書(PL)とは
  • 【決算書の読み方】経営に活かす損益計算書と貸借対照表の読み方
  • 財務三表を理解できるようになる!PL・BS・CSの読み方を解説
  • 貸借対照表の見方を図解!経営者が知っておくべき7つの確認ポイント
  • 【図解】損益計算書の見方とポイントを初心者にもわかりやすく解説

2. 貸借対照表と損益計算書のつながり( 1 )純資産と当期純利益

2-1. 損益計算書の「当期純利益」が貸借対照表の「純資産」となる

損益計算書の「当期純利益」が貸借対照表の「純資産」となるのです。

2-2. 勘定科目は「利益剰余金」に計上される

損益計算書の当期純利益は、貸借対照表の「利益余剰金」の勘定科目に計上されます。

利益剰余金とは、 会社が事業によって生み出した利益を積み立てたお金(内部留保したお金) のことです。

2-3. 貸借対照表に当期純利益が計上される流れ

1年間の年度が終わったら決算をして、損益計算書を作成します。ここで1年間の会社の活動を通して生み出された「(1)当期純利益」が算出されます。

期末の時点では、当期純利益のうちいくらを利益剰余金として積み立てていくか決まっていません。そこで、いったんは「( 2 )当期未処分利益」として計上します。

当期未処分利益は、株主総会での決議を経て決定される株主への配当金などの原資となります。配当などの後で余った金額が貸借対照表の「( 3 )利益剰余金」に計上される流れです。

3. 貸借対照表と損益計算書のつながり( 2 ) 2 つの指標

貸借対照表と損益計算書にまたがって数値を使って計算する指標として、以下の 2 つがあります。

3-1. ROE(自己資本利益率)

ROE ( rate of return on equity :自己資本利益率)は、 自己資本をもとに、どれだけ利益を上げたか?を測る収益性の指標 です。

逆に「 ROE が低い」場合は、投資額の割に効率的に稼げていない(どこかに無駄がある)と考えられます。

株主が出資した資本(=純資産)から効率的に利益を上げる ROE が高い企業ほど、株価が上がって株主への配当も高くなりやすいといえます。

ROE は 「まず目指したいのが8%、10%以上なら優良企業」 というのがひとつの目安になります。

上の例では【 7.7 %】ですから、もう一歩、がんばりたいところです。

8%以上

安定企業

10%以上

優良企業

15%以上

超優良企業

参考までに、 2014 年に経済産業省がまとめたレポート( 伊藤レポート )では、日本企業は「日本企業は自己資本利益率 8 損益計算書(PL)とは %を目指すべき」とされています。

3-2. ROA(総資産利益率)

ROA ( 損益計算書(PL)とは return on assets :総資産利益率)は、 企業が保有しているすべての資産を活用してどれだけ利益を上げたか?を測る収益性の指標 です。

先に解説した「 ROE 」は、株主資本を中心とする自己資本に対しての収益性を見る指標でした。一方 ROA からわかるのは、他人資本も含んだ総資産に対しての収益性です。

例えば、 “ROE では含まれないが ROA では含まれる資産 ” として、以下が挙げられます。

ROA がよく使われるのは、ライバル企業と収益性を比較する場合です。借金の金額の大小にかかわらず、「純粋に今持っている総資産で稼ぐ力」を単純比較するためには、 ROA が向いています。

ROA の目安としては、一般的には 「5%以上あれば優良企業」 とされています。

3%以上

安定企業

5%以上

優良企業

10%以上

超優良企業

自社の ROA がどうなっているか、計算してみましょう。

3-3. 参考情報:日米欧上場企業の ROE ・ ROA の推移

最後に参考情報として、日本企業は欧米企業と比較して ROE ・ 損益計算書(PL)とは ROA が低いことが課題とされ、政策として高めるための試みが行われてきた経緯があります。

近年では ROE も ROA も上昇傾向にあるものの、まだ欧米企業との格差が残っている状況です。

4. 貸借対照表と損益計算書を経営に活用するポイント

最後に、貸借対照表と損益計算書を経営に活用するためのポイントを 2 つ、お伝えしましょう。

そこでおすすめなのは 「経営に効くポイントだけ」を絞って、とにかく効率的に学ぶこと です。経営に効かない部分は、どんどん端折りましょう。

4-2. 慣れてきたら資料のつながりに目を向けて深掘りしていく

それよりも、 「資料と資料の数字のつながり」に目を向けて、自分独自の視点で深掘りしていく癖をつけた方が、会社にとって有益な発見や気付きを得やすくなります。

5. まとめ

簡単にいえば、貸借対照表( B/S )とは「会社が持っている資産のリスト」、損益計算書( P/L )は「会社の 1 年間の成績表」です。

貸借対照表や損益計算書を経営に役立てるポイントとしては、次の 2 点を意識してみてください。

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