決算書を見てると、損益計算書(P/L)がある。
これを見て経営をする、事業計画を立てるということをしている企業がたくさんあるかと思いますが、
これだけでは正直何も戦略を立てれないことを教えていただいた。
理由は、、、
「損益計算書」「PL」とは?読み方をわかりやすく解説!【財務諸表】
損益計算書を見ることで、一目で「黒字だったのか赤字になってしまったのか」など、企業の収益性 を見ることができます。
ほかにも、「その企業の規模」や「競争力」などのほか、
「結果的には黒字なものの、 実は本業では大赤字で、保有している資産を売却して黒字にしただけ」 なども損益計算書を見ることで、見抜くこともできるなど、多くのことがわかります。
なお、同じ財務諸表である、「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」ともつながっているため、合わせて理解するようにしましょう。
☝基本的に損益計算書は引き算の繰り返し
損益計算書は、非常にシンプルにできています。
「上記の図「損益計算書の概要」のように、「売り上げた金額」から、「それにかかった費用」を引いていくことによって算出します。
まず本業での売上の合計を示す「売上高」から、様々な費用を引いていくということは押さえておきましょう。
損益計算書の構成・流れを解説
損益計算書は、大きく分けると
☝ 売上高とは
売上高とは「その企業の本業によって稼いだ、すべての代金の合計」 のことです。なお、 「販売できた金額」のみが計算され、損益計算書の基準となります。 「売上」とは、商品やサービスを提供した時に対価としてもらえる代金のことで、売上高はその合計です。
☝売上高は会社の規模を見る指標になる
この 売上高が大きいほど、会社の規模が大きい という考え方もすることができます。
単純に店舗の数で考えても、店舗数が多ければ多いほど、多くの売上高を高くしやすくなります。
しかし「売上高が高いから、多くの利益を上げているわけではない」 ということは押さえておきましょう。
☝売上高は営業収益が記載される場合も
企業によっては、損益計算書の「売上高」の部分に、「営業収益」と記載されている場合があります。
売上高と営業収益の違いを明確に区分して分けることは難しいですが、製品や商品といった形をもっている商品の販売を「売上高」、サービスや手数料など形のないものの販売による収益を「営業収益」に区分するとも考えられています。
☝売上高に関連した分析法
売上原価とは
売上原価とは、上記の売上高をあげるために、直接的にかかった費用のこと です。 損益計算書(P/L)とは
例えば、仕入れの値段やその商品を作るための原材料や工場などの人件費、仕入れの値段などが該当します。
また、売上原価は、「売上高に記載されている分の原価だけが記載される」ということは押さえておきましょう。すなわち、売れた分しか原価として計上されません。
大量に製品を作って1つあたりの売上原価を下げたものの、大量に在庫を抱えていた状態であったとしても、損益計算書だけでは見抜くことができないのです。
☝売上原価に該当する例
売上総利益(粗利)とは
売上総利益とは「粗利(あらり)」とも言われ、売上高から売上原価を差し引いて産出されるもの です。「利益の源泉」といわれることもあります。
この売上総利益(粗利)を増加させるには、
①売上高を増加させる
②売上原価を少なくする
という2種類しかありません。そのため「粗利益(売上総利益)は、企業の競争力を示す」と考えられることもあります。
販売費および一般管理費(販管費)とは
販売費および一般管理費とは、「販管費」とも言われ、会社の運営するために必要な費用のこと 損益計算書(P/L)とは です。研究開発費や営業マンの人件費、広告費など、幅広い費用がこの販管費に該当します。
また、売上原価との違いは、「直接商品・サービスのの提供に直接的に関わっているかどうか」であり、例えば製造業の工場で働き製造にかかわっている人への人件費は売上原価に入ります。同じ会社で働く経理部の方への人件費は、その製品の製造そのものにはかかわっていないため、販管費に該当します。
また 販管費は、企業の業績が悪い時に、コスト削減の対象になりやすいといわれています。
☝販管費に該当するもの
営業利益とは
売上総利益から販管費を差し引いたものが、「営業利益」で す。
営業利益は「本業での利益」 と考えることができ、下記で説明する経常利益や純利益が黒字であったとしても、この営業利益が赤字になっていた場合、本業で利益を出せておらず、なんとかして利益を出した状態といえ、本業の経営自体に問題が起きている可能性があります。
そのため、 営業利益は、そのときの経営の状態を把握できる指標 とも考えることができ、非常に重要な指標の1つです。
営業外収益・営業外費用とは
その1つである 「営業外収益」とは、「普段の企業活動からでてくる収益のこと」 で、企業として持っている株式の配当などが該当します。
「営業外費用」は、営業外収益の逆で、「普段の企業活動から出てくる費用のこと」 であり、銀行から借りているお金の「利息」や、企業として所有している海外資産が為替相場の変動によって含み損を抱えた際の「為替差損」などがあげられます。
また、営業外収益・費用は「普段の企業活動で、毎期のように発生する収益や費用」というイメージを持っておきましょう。
☝営業外収益に該当するもの
☝営業外費用に該当するもの
経常利益とは
経常利益とは、営業利益から営業外収益を足し、営業外費用を差し引いたもので、「けいつね」とも呼ばれ、普段の企業活動の結果の収益とも考えることができます。
「経常」とは「平常時なら」という意味でもあり、特別なことが起きない状態での利益と言えます。
つまり、その企業の本来の本業における結果を見る際には営業利益を、借入や社債の発行といった財務を含めた企業全体の強さをみるためには、経常利益を見ると考えることができます。
特別損益(特別利益・特別損失)とは
特別利益・特別損失とは、「本業とは関係なく、普段の企業活動で毎回発生するとは考えにくい利益や損失」 のことです。
この特利利益と特別損失を合わせ、「特別損益」と言われることもあります。
言い換えれば「その期間にだけ発生した利益や損失」ともいえ、次の会計期間などにおいては、基本的にはその利益や損失は発生しないと考えます。
その時にだけ例外的に発生した利益や損失を、通常のように計上した場合、その企業が過大評価、または過小評価されてしまうため、「普段は発生しないもの」として計上します。
しかし、特別利益、特別損失は、「通常では発生しない、多額の金額」というだけで、それぞれの案件を1つ1つ検討する必要があります。
つまり、臨時的で大きい金額であるという程度で、どんな利益・損失が特別利益に当たるのかという明確な定義があるわけではないのです。
☝特別利益に該当するもの
- 債務が免除されたことによる利益
- 長期案保有している株式や不動産などの売却益
☝特別損失に該当するもの
- 台風や地震などの自然災害による損失
- 盗難による損失
- 長い期間保有していた株式や不動産などの売却損
税引き前当期純利益とは
税引前当期純利益とは、経常利益に特別利益を足し、特別損失を差し引いたことで算出されることで計算されるもの です。
税引き後当期純利益
税引き後当期純利益は、税引き前当期純利益から、会社にかかる税金の1つである「法人税」や住民税などを差し引き、算出される純利益 のことです。
この金額により、「配当」が決まることも多く、株価に影響を与えることが多いため、この当期純利益に非常に敏感な投資家も多いです。
予測財務諸表の作り方とは?株式譲渡・事業譲渡の準備に必須となる重要な財務情報の整理プロセスを解説します!
- 運転資本: 売上連動(または売上原価連動)で作成
- 固定資産: 直近残高、設備投資予測、減価償却費のローリング表を作成して計算
- 借入金: 利益予測と運転資本推移や設備投資計画などから資金需要を考慮し、一定のロジックで残高予測
- 現預金: 利益予測、運転資本、設備投資、借入計画などを踏まえ予測し、CF計算書との整合を検証
- その他資産負債: 個別に予測できるもの以外は、横置きまたは売上連動
- 純資産: 直近の純資産残高をベースにPL純利益予測と配当計画から計算
Step3: CFの予測
PLの予測
費目別の基本的な仮定の置き方
勘定科目
基本的な考え方
予測方法の例
BSの予測
運転資本
固定資産
純資産
CFの予測
予測財務諸表は、PLのみを作成するケースが多いですが、 売手の立場でのM&Aを検討する場合には、買手に対する情報提供を目的に財務三表(BS・PL・CF)の予測値を準備しておくことが望ましい と言えます。
具体的には、DCF法による評価のため、買収後の必要資金の分析、各種経営指標の算定など、 買手にとっては重要な情報を整理するにあたって、財務三表が整えられている方が望ましい 場合が多くあります。
さらに、 場合によっては、将来情報の提供を行うことで前向きな見通しが買手に評価されることや、そのような予測値の策定を行える財務面の能力があることがプラスに評価される可能性 もあります。
弊社では、 売手の依頼者様に対して、譲渡の事前準備からサポートさせていただくことが可能 です。
一般的に難易度が高いとされる一部事業の譲渡であっても豊富な支援経験を有しているため、予測財務諸表の作成、契約交渉、その他各種論点整理をフルスコープで支援させていただきますので、ご不明点等がありましたらまずはお気軽にご相談ください。
初心者必読!PLとBSの基礎知識と重視すべきポイントとは?分かりやすく図解
冒頭でも触れたように、PL・BSを理解することは、精度の高い戦略を作ることに繋がります。
PL・BSとは?
PL・BSを理解すべき理由
PL(損益計算書)とは?
損益計算書は、企業の経営成績を示す書類として用いられ、Profit & Loss Statementを省略してPLと呼ばれます。
そして、下の図に表したように、一定期間の収益のと費用を網羅し、収益から費用を差し引いた純利益を算出した書類がPLです。
ここまでの考え方はシンプルですが、財務諸表上では収益と費用をその特性に合わせて細分化する必要があるため、それぞれの言葉の意味についても理解しておく必要があります。
住宅会社を例にあげると、提供した家の対価として得たお金が売上、社長が行った講演費用が営業外収益、事務所が災害に振り込まれた保険金が特別利益に該当します。
先ほどと同じように住宅会社を例にあげると、住宅の材料費が売上原価、広告費用が販売費及び一般管理費、借り入れに対する利息が営業外費用に該当します。
BS(貸借対照表)とは?
BSは、資産から負債を引き、純粋な資産がどのくらいあるかを示す財務諸表です。
ただし、PLと同様に、資産と負債のも特性ごとに細かく分類されるため、その内訳についても確認しておきましょう。
ネットショップ 経営者のミカタ・管理職のミカタ!EC経営戦略『研修』備忘録 「あきらめたとき、それが失敗のはじまり」「あきらめなければ、必ず成功に近づく」
損益計算書(P/L)だけでは経営戦略は立てられない
経営計画は、全く意味をなさない。
単に「売上」と「固定費」だけ入力して、「こうなったらいいな?」っていう想いだけの経営計画を立てていた。
もちろん、スタッフと一緒に立ててみたりもしたが、
経営計画を立ててから、一度も見返さない。残念な仕上がりだったのは、先にも書いたとおりだった。
経営計画は、全く意味をなさない。 単に「売上」と「固定費」だけ入力して、「こうなったらいいな?」っていう想いだけの経営計画を立てていた。 もちろん、スタッフと一緒に立ててみたりもしたが、 経営計画を立ててから、一度も見返さない。残念な仕上がりだったのは、.
損益計算書(P/L)だけでは経営戦略は立てられない
決算書を見てると、損益計算書(P/L)がある。
これを見て経営をする、事業計画を立てるということをしている企業がたくさんあるかと思いますが、
これだけでは正直何も戦略を立てれないことを教えていただいた。
理由は、、、
損益計算書は、合計が記載されている書類だから中身が見えて来ないのです。
戦略を立てるには、中身を知ることが必要
どの商品を何個販売して、目標とする利益・売上をつくるのか??
そのためには、どんな販売方法をとるのか??どんな価格で販売するのか??どんな広告を使って集客するのか??
それを考えて最大化させることが経営戦略という社長の仕事です。
(・・・この言葉には本当に耐えれなかったです。)
でも、損益計算書(P/L)だけではどの商品を何個とかが分からないのです。
もちろん、過去の振返りも出来ない。
だから、損益計算書(P/L)だけでは、経営戦略を立てることが難しい。
- 投稿者: 田中 利和 , 儲けの計算・計画, 教育・研修, 管理職(マネージャー)の仕事, 経営者(社長)の仕事 , 損益計算書, 経営
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「知る」「わかる」「出来る」の違いとは
会計クイズから読み解く財務諸表ー損益計算書編ー<経営講座第6回>
経営お役立ち情報
今回の配信でも、「財務諸表」についてお届けしていきます。
前回は、会計クイズを使って、「貸借対照表」について取り上げました。
今回は、「損益計算書」の実践的な読み方、活用方法について説明していきます。
安全性、収益性、将来性を財務諸表から読む
損益計算書だけで、業種を判断できますか?
Q これは、どの会社の損益計算書でしょうか?
損益計算書の仕組み
損益計算書とは
つまり、「この企業は儲かったの?」という情報を見ることができるものです。
①損益計算書=「P / L」
損益計算書は、英語だと、「Profit and Loss Statement」といい、「Profit」は利益、「Loss」は損失、「Statement」は計算書という意味です。日本でも、この頭文字をとって「P / L」と呼ばれることが多いです。
②項目によって、左右にグループを分け、その左右は一致する
左側の「費用」の合計額と、右側の「収益」の合計額には差が生じますが、この差は、「利益」または「損失」となります。この「利益」または「損失」と、「収益」および「費用」を合計することで、貸方と借方は一致します。これらを図式化したのが以下になります。
色々と述べましたが、忘れないでいただきたいのは、損益計算書は、①収益、②費用、③利益(損失)の3つの要素で構成されているだけであり、「 収益と費用を比べて、利益を出しているだけ 」ということです。
5つの利益
損益計算書には、複数の利益が表示されています。
以下のそれぞれの利益は何を意味しているのかを見ていきましょう。
売上総利益
これに関して、1つ大事なことがあります。 「売上原価」は、作ったもの、仕入れたもののうち、売れた分だけが計上される ということです。作ったもの、仕入れたものも、いったん、貸借対照表の「棚卸資産」となります。そこから「売れた分だけ」が「売上原価」となります。ですから、大量に製造、仕入れたとしても、売れない限りは売上原価とはなりません。大量に作れば、固定費の配賦の関係で、1個あたりのコストは下がります。そうすると、売上原価は売れた分ですから、表面上は利益が出ているように見えます。しかし、そうやって大量に仕入れても全部が売れるわけではありませんから、大量の在庫を抱えているはずです。損益計算書の売上原価や売上総利益をチェックする際には、必ず、貸借対照表の「棚卸資産(原材料、仕掛品、製品、商品)」の残高をチェックするようにしましょう。
販管費は、製造や仕入に関わらない通常の営業活動のコストを言いますが、様々な種類があるので、簡単に押さえておきましょう。
3つ目は、経常利益です。経常利益は、「会社の実力が1番反映される利益」とも言われます。
経常利益は、本業で獲得した営業利益に、本業以外で獲得した利益(営業外収益)を加算し、本業以外でかかった費用(営業外費用)を控除して算出されます。
例えば、本業以外で、株取引を継続的に行っている会社の場合、株取引により利益を生めば、それは会社の利益には貢献しますが、それは決して本業で儲けているわけではありません。こういったものが、営業外収益(営業外費用)に計上されます。
これらは全て、継続的に行われる活動により獲得した利益なので、会社の実力が1番反映される利益と言われます。
税引前当期純利益 / 当期純利益
4つ目は、税引前当期純利益です。
税引前当期純利益は、特定の期間に発生した全ての事象を加味して算出された利益です。経常利益に、特別損益といった毎期のように発生しない突発的な事象(例えば火災損失や事業売却)から発生した利益や損失を加減算して、算出されます。
また、この税引前当期純利益から、法人税等の税金コストを控除することで、5つ目の「当期純利益」が算出されます。
P/Lの各種利益まとめ
売上高から、各種の発生した費用を引いていき、最後に当期純利益が残るという構造です。
損益計算書で経営者が見るべきポイント
売上総利益率
冒頭で、損益計算書からは、「収益性」を読み取るとお話しました。
その収益性を測る上で、よく使われる指標が「売上総利益率」です。
「売上総利益率」とは、売上高に対する売上総利益の比率です。これは、1から売上原価率を差し引いただけのものですから、この率を改善するためには、売上原価をどれだけ抑えることができるかにかかっています。
大切なのは、自社の売上総利益率が同業他社と比較して遜色ないかを、必ず確認することです。もし、同業他社より低ければ、売上原価率が高かったり、売値が安かったりなどの様々な要因が考えられます。これは自社のパフォーマンスや効率の悪さを表しますので、その原因をきちんと分析し、地道にその改善に努めることが必要です。
ROA / ROE
もう1つ重要なのは、資産に対する利益率です。これを「ROA(Return On Assets)」といいます。
「ROA」は、「利益÷資産」で算出することができます。
資産は、負債と純資産によって調達したコストを表しますので、その調達コストよりも高い利益率を出せていなければなりません。
具体的には、資産利益率が営業利益ベースで大体5%以上であることが適切でしょう。
最近特に注目されている指標として、「ROE(Return On Equity)」というのもあります。
「ROE」とは、「純利益÷自己資本」で算出することができ、自己資本利益率という、株主の持分に対して、どれだけの純利益を出しているかを表します。
今では8%を超える企業も増え、上場企業では、ROEの指標を重要視しているところも少なくありません。
【参考文献】
小宮一慶「経営者の教科書」,損益計算書(P/L)とは ダイヤモンド社(2017年)
大手町のランダムウォーカー「世界一楽しい決算書の読み方」,KADOKAWA(2020年)
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